*幸せとは?/養老孟司(ようろうたけし)(※雑学No.173),第51週,2022/10/3(月)~,B.D.+29,
✨🌒🌓🌔🌕
2022/10/4(火)
🌕🌖🌗🌘✨
朝は、オトン(元ウチの人)からのメール・チェック(備忘録的なものなので、読み飛ばしを)。
「昨日は、☐◇と家ですき家の牛丼とサラダ。今日は1人出勤。」(※☐◇:息子氏の名前)
夜は、菟田野のお義母さん(84)に、ラブレター書き(笑、同上で)。
「おかあさん、コン🦊ばんは。
大阪はきょうも蒸しまして🐝🦋、私は少々わんぱくでも、袖なしで過ごさせていただきました💪
それでは、今日も『根っこばなし』より、『年越し鮎 🐟⛵』⑦をお送りします😊
前回は
『むかし、美濃国(現・岐阜県)の長良川のほとりのムラでは、年末の町の商人相手の商売で、売り物の干し鮎(※落ち鮎を干物にしたもの)に対して、いつも年越し鮎(※10月に落命せず年越しした鮎)はないか?と所望されていて、ある時、あるムラの人が、その長良川の淵に水温の高い所があるのを見つけましたよ』
というお話でした👵👶🐯🐯
なお、『年越し鮎 🐟⛵ 』は、タイトルに魅かれて選ばせて貰った作品なので、物語が予期せぬ展開(?)になるかもしれないことを、あらかじめお詫び申し上げます(笑)🙇
『年越し鮎 🐟⛵』
👵👶👴
⑦
なかに 砂地の 泡ふくあたり、🏞️⛄
その余の魚と 形が違い、🐟
菜切り包丁みるような、🔪
見なれぬ 魚が すくんどるでな。
もしやと じっくり 眺めたら、
年越し鮎に 間違いないと。🐠🍳
あれが そうじゃと 尻ほったてて(※上半身を低くして尻を高くして)
のめりこむほど のぞいとったらな。👩🏻👨🏻
いきなり 背なかで 声がして
「どざえもんでも 沈んでおるか」
と、いつの間にやら 川役人が、👨🏽💼
漁師を あない(※案内)の 見廻りじゃとよ。🎣
(つづく)
もう、お役人さんは、お呼びでないと言うのに~!😠まぁなにはともあれ、「年越し鮎」発見の経緯には、こちらも手に汗握りましたよね?🐠🤗
「あない(※案内)」と言えば、”苦”は悪ではなく”幸福行き”の水先案内人👨✈️👍 ということで、お互い、そう考えて心を楽にして過ごしましょうね😉✨🎵それでは、明日の続きをお楽しみに(?)🙇😆🎵おやすみなさい😴💤✨」
With "Ryoryo"(ウイズリョーリョー)
きょうは、半月・お月見ランに行って、6,742歩(4.5㎞)走り歩きしました🏃🎑そのあとは、養老孟司(ようろうたけし)さんの「幸せとは何か?」(※10月4日~2週間,、限定公開)の文字起こしをしました↓↓
※対談をYouTubeの文字起こし機能を使って、部分起こしした後、誤字・脱字の修正をしました
養老 孟司(ようろう たけし)・医学者、解剖学者、東京大学名誉教授
1:09:14
🌛さっき子どもの話をしましたけど 子どもさんは
非常にきちんと社会制度ができてしまって 学校に行って そのものさしで
1:09:27
それをクリアしていけば いい という風だから 小さい時に
何か夢中になってやってて つまり全く「幸せとは何か」とか考えないで
生きてきた って記憶がない と 「もう人生 いいか」っていう
どっか 投げてしまうように なっていくのかなーっていう これ想像です
1:09:53
けども 私が若いわけじゃないので
それに引き換えて 自分の若い頃を考えると
本当に考えてる暇もない それこそ
進駐軍の兵隊さんにチョコレートもらって 食べてたら本当に美味しかっ た っていう記憶ぐらいしかない
1:10:11
そういう 世代とはもうずいぶん違ってきて
1:10:17
だから 子どもの時の幸せって ものすごく大事 なんじゃないかな その幸せは 子どもが幸せだと思うんじゃ
なくて 我を忘れている状態 ですね
1:10:53
🐶本当に印象的だったのは 広島でそれをやっ たときに 虫捕り と称して
20人くらいの子どもを連れて山へ登って 広島ですから 山から下りると
砂浜だったんですね 海岸 砂浜に出たら 別な人が
1:11:12
犬を連れてきてたんですか 暑い日で こっちは 山から下りてきて 汗だくだったん
1:11:19
ですけど その 別の人が連れて来た犬は 何して たかって言うと そのまんま 海に入って泳いで
るわけです 僕がつれていった20人ほどの子どもは 誰一人 海に飛び込んだ者が いないんですね
1:11:34
ああいうときにやっぱりあれだけ暑かったら クーラーもないところですから
海に飛び込むのが普通じゃないかと思うんですけど
今の子はそれを自主規制しちゃってるん です そういうふうな
暗黙の規制がやっぱり 若い人に かかっていて
自分の短い人生の間に なんか 思う存分生きた っていう
それがない じゃないかなって 単に私の疑いですけど
そういうものを できれば与えてあげたいと 思って
本当に 短い(子ども時代に)1回の体験でもいいんじゃない かと思うんですけど
1:12:54
🦋同じ医者でも 中村哲さん(1946年9月15日 - 2019年12月4日)ですねえ
1:13:00
アフガンでなくなりましたけど 彼は元々は 私も何度かお会いして話したことがあるので
1:13:08
元々 あの方はモンシロチョウの起源を ちょっとあの方は 蝶が好きで
アフガンに蝶々を捕りに行って その時の名目っていうとおかしいんです けど
1:13:21
テーマは モンシロチョウってのは アブラナ科 かな 植物を
ご存じのように 菜種とか ああいう野菜は 中近東由来ですから
ああいうものを 食ってる蝶ってのは あの辺から来たんじゃないかって
一応の仮説を持ってアフガンに入って そんなことを調べるつもりだった そしたら
1:13:46
患者さんが多いんで 診療所を開いたら あっという間に 大変なことになって
しかもハンセン病が多いんですね それで それの治療はないわけじゃないんだけど
一回行って治療は済むってわけじゃないの で 繰り返し結局 行かなきゃなんない だからハンセン病
1:14:06
の 病院を アフガンじゃなくて
1:14:15
ペシャワールですか パキスタン側に作って そういうふうなことをやっているうちに(中村哲氏は)
気が付いたわけですねえ 報道では アフガン難民っていうのは「政治難民」と言わ
れてるけど実はそうじゃない 要するに 「干ばつ難民」になっている 干ばつのために畑が使えなくなっちゃって
食えないからしょうがないから 村を捨てて 難民になったんだって
1:14:42
そういうことなら 水を引きゃいいんじゃないかということで 川を引く事業を始めるわけです
これ医療なんですかね (笑) だから 周囲の条件にもよると思うんです その
医療 と 人の幸せの 関係は
1:15:00
で中村さんが幸せであったかどうか 分かってないんですけど まぁ幸せだったのじゃ
1:15:05
ないかなと その中村さんに対する外部の反応っていうのは
1:15:11
「 医者が個人で外国行って勝手なことをして
いる」って言われたと言ってましたから 日本の人ってちょっとそういうことを 言うところが
ありますね
鄭 雄一・東京大学大学院工学系研究科/医学系研究科教授
1:15:33
🌛先生は最後の方で「自足が幸せ の鍵じゃないか」って おっしゃってましたけれど
1:15:41
も ここにそれに関連していくつか 質問がきています
1:15:48
一つは「国土の狭い日本では自足して生きていけるのはかなり限りがあるんじゃない
か?」っていう そういう意見が
養老 孟司
そこでまさに努力するということの意味が出てくるんだと
思います そこをなんとかやっていくっていう そういうことがなさすぎたから
極端にいうと 若い人は死ぬんじゃないかな と そこをなんとかしないとみんな生きていけ
1:16:14
ないよって状況でないと 必要は発明の母じゃ ないんですけど 人はなんとかするんじゃないか
1:16:20
と思うんです もちろん外から持って来ちゃいけないっ ていう禁止があるわけじゃないんで
1:16:25
できるだけということですね
鄭 雄一
1:16:32
🐞「グローバルなことばかり考えていると限界 がくると やはりローカルのこともきちんと考えてそこで回るようなシステムをつくっ た方がいいんじゃないか」っていう話があっ たと思うんですが
「どの辺まで 考えたらいいんでしょうか?」っていうような ご質問がきています
養老 孟司
それが 今の方の 癖だと 私は
思うんですけど 何をやっても あらかじめ考えようと するんですね
1:16:59
それを僕は ああすればこうなる って言うん ですけど 英語で言えば シミュレーションですね
1:17:07
シミュレーションしないと物事を やっちゃいけないみたいに思っている 若い人に
1:17:13
「こういうことをやってみたら」っていう時に 反応 は「やったらどうなりますか?」っていうのが
典型的な反応で 「どうなるかやってみなきゃ分かんねえだろう」って言うと 次の反応は「そんな無責任な」
1:17:27
っていう反応ですけど だから要するにもう 先の見えない事はやらな
いって決めてるんですね(笑) これじゃ人生面白くないに決まってますよ 僕よく
1:17:38
東南アジアも一人で行くんですけど 「先生 なに捕りに行くんですか?」
ってよく聞かれるんで 「捕れるものがわかってたら いかねーよ」って
そんなの 面白くもない そりゃあ 現地の人に1万円でも払ってこんな
虫いるから捕って来いって言ったがよっぽど 効率が良くて確実ですよね
1:17:59
そうじゃなくてやっぱり自分で 出かける アレかなりの危険があるん ですよ
1:18:04
ラオスによく行くんですけど ラオス航空なんて年に 2回 落っこってますから今でも
1:18:10
ね そういうことで飛行機乗って 車に乗ったらもっと 危ないです 道路が整備されてない
1:18:17
なぜそういう危険まで犯していくかって いうと やっぱり何が起きるかわからないから ですよ
そんな虫捕りだけじゃなくて いろんな面で 中村哲さんもそうだったと思うんですよ アフガン行って何で? 日本でお医者さんやってれば無事に 暮らせるはずで
なんで日本で金まで集めて
アフガン行って 患者さんの面倒見なきゃいけ ないんだ?
患者さんどころか 健康な人も ですね
鄭 雄一
1:18:59
🌛もう一つ 幸福に関する結構 直径な質問が来てまして
「幸福っていうのは先生は持続とおっしゃった けど他者との比較で生まれるものなんじゃ
ないですか?」と
養老 孟司
これも極めて現代的な意見だ と思うんです
1:19:16
さっき何かしている時に夢中になってやっ てるって言いましたが そのときに他者と の比較って全くないんですよね
なんで比較しなきゃいけないのか? そういう 社会を作っちゃったんですね sns なんかも典型ですけど 今の人は
人の顔ばっかり見ている というのが 僕の 観測で 他人の顔見たってしょうがないん
ですよ それつて 自分の幸せと何の関係もない 人よりマシっていう考え方 或いは
人より劣っているという考え方は やめた ほうがいいと思う 自分は自分だって開き直っちゃった方が
いい だから自分のやっていることを人と比較し
1:20:00
ないことですね 今の(話に出ていた)中村哲さんだと 比較する相手がなかっ
たと思います そんなこと 彼以外 誰もやらないんだ から
でも 自分が気がついて やってたら 本当に 現地の人は協力してくれるわけですね
1:20:19
それで当然 医者ですから 川を 掘る なんてのは 用水路を
川から水を引いてくるなんて技術は 全くない だから九州の出身ですから
1:20:31
どうしたかって言ったら江戸時代の そういう 工事を やっているわけです 九州でもいろいろ
1:20:38
有名な加藤清正がいたところですから 土木 工事やってるわけですね 江戸時代の技術が一番役に立ったって
1:20:45
なぜかというと「今の近代的な技術で 用水路を 作ってしまうと 壊れた時に 地元の人
がもう 手がつけられない 江戸時代の技術ですと 地元の人が
あり合わせの材料でやっていたわけだから それなら 具合が悪くなったときに 自分たちで補修が
可能だという だからそういう古い技術 古いところを見て 歩いた」って言ってましたけど
何かあれば そういうものを見つければ いくらでもやることはあるし
やってて面白いんじゃないでしょうか
1:21:28
僕は昔 解剖をやってたものですから 「解剖が面白いん
1:21:36
ですよ」って言って 本当に クレームをもらったことあります 献体される方の家族の方だと思うんです
1:21:44
けど 面白半分っていうんじゃないんですよ 興味深いとか何とか言えばよかったん
1:21:50
でしょう
🌛1:31:05
つい最近出てる本で 白鳥さん
1:31:10
と タイトル 僕すぐ 忘れちゃうんです 歳で あの 白鳥さん 固有名詞なんですけど
1:31:19
絵を見に行く じゃないけど なんかそう いうタイトルの本があって これは大変私は面白かった
※『目の見えない白鳥さんとア-トを見にいく』 川内 有緒【著】 - 集英社インターナショナル(2021/09発売)
1:31:25
何かというと 実は白鳥さんという方は 全盲なんですよ 目が見えないんです その方と一緒に美術館に
行くんですね そうすると最近の美術館は そういう方も 受け入れるという
オペレーターの人が そういう方と一緒に だから すっごく 一般の人がそういう全盲の人と
一緒に 美術館に行くと 美術の見方が違ってくる 説明しなきゃなりませんから
絵を人に説明すしようとすると 普段見ているのと違う見方を
当然 するようになりますから 皆さんが どうやって美術館で絵を見て
何か知りませんけど 隣に目の見えない人がいて「これ どんな絵だよ」って説明していると
しかも複数の人がいると 相当 見るポイントが違ってきたりするわけですね
1:32:15
そういう 医療 そのものに限らず
多くの人が そういう社会的な試みを やってみられると さっきの中村哲さんじゃないんだけど
医者が 川 掘ったって いいわけだし そういう意味の
なんか やることを狭める 傾向が 日本にありますね
1:32:41
僕だから テレビで 専門家が出てくるのは あまり 好きじゃないのは 専門家っていう なんていうのか やっぱ 枠を
はめるんですね その人の言う事を聞くのか聞かないのか
1:32:52
よくわからないんですけど その枠 だから 目の見えない人が 絵がわかるわけ
ないだろうっ ていう常識にとらわれると
まぁその本でも ちょっと関心からお読み頂い たらいいと思うんですけど
1:33:10
だから 美術とかそういうものがいったい どう いう芸術とか
1:33:15
健康とか そういうことと どういう関係が あるか っていうのは ほとんど考えられてないような気がするんですね
1:33:21
そういう白鳥さんの例を見ると まさか皆さんも 目の見えない人を連れて 博物館とか
美術館とか 行こうとは思わない でしょう? で それをやってみると 全然違う世界開けるんですね
🌛1:36:24
まず先が 見えないっていうのが
ほとんど私は理解ができない 私の人生まったく先が見えない(笑)
1:36:35
大学辞めましたが 私57歳で その時の同僚との問答を思い出すんです
1:36:42
だいたいやめるっていう事を教授会で 申し上げたのが
1:36:48
10月だったですかね 普通国家公務員でしたから3月の31日で
1:36:54
辞めることになるわけです それで その報告した協議会で 内科の教授が来
1:37:00
られて 「まあ当然辞めるんだから 次の良い仕事が 見つかったんだろう」っていう前提で僕に
1:37:07
聞いてくるわけです 「いい所あったら紹介してくれ」って聞き たかったんじゃないかと思うんだけど
1:37:14
「辞められたあと どうなさるんですか?」って 聞かれたんです だから
「それは辞めてみなきゃわかりません」って 申し上げたらそしたら
すぐ反論されて「そんなことでよく不安に なりませんね」なんて言われた
「 じゃあ 先生 いつ お亡くなりになるんですか?」
って聞いたら「そんなこと分かりません」 「それ でよく不安になりませんね」と 私も言い返した 現にそういう問答 やったんですよ
1:37:39
だから 何を心配しておられるのか わかんない その 先は見えないのが不安だっていうのは 人生 先が見える と思ってるんでしょうね
それがさっき言った 「ああすれば、こうなる」 若い時からそれで 日本の社会 今
完全に そうなっちゃってるので
1:38:00
そんな 大勝負の無い人生 無いでしょう? 何度も言うようですけど
生きてるってそういう危険を背負った上で
時間を過ごしていくことですよね
1:40:44
🌛なんかその辺から変えて行ったほうがいい んじゃないかなと思いますけどね 私も
1:40:51
いつも教訓にあるのは 同じ大学で 芸大で
1:40:57
美術解剖学の大学院生の 講義をやってたんですけど
1:41:05
メキシコ人の おばさんが入ってきたんですよ 途中から その途端に 学生の反応が違ってきたんですね
同じ講義でも日本人だけだと やっぱり ほとんど学生の発言がないんですよ
そこによく日本語わかんないし 日本の常識がわかんない
おばさんが一人入ってくると 好き勝手 いうわけですね こっちも それにいろいろ反応
して そうすると それにつられて 学生も 色々反応して というのが よくわかるので
1:41:36
日本の人は よく反応するなと 僕は思うんです けど そういうふうに 全く異質のもの混ぜるって
いうのは 明らかに 状況を変えますから
1:41:49
人間って 思ったより 状況依存なんですね 皆さん どう思ってるか知らないけど
だから もし 何かをやられて 不安だとか 色々お考えならば ちょっと 状況を変えるっていうところから
始められてはどうでしょう 1人 外国人入れたら もう ガラッと変わって くる
1:42:06
可能性がありますねぇ
1:53:49
🌛そうですね あんまり(幸せの中に 階層があるかを)私 考えたことない んで
1:53:56
よく家のブータンにはよく行くんですけど
1:54:32
前国王が 亡くなったときに 官吏に 「なあ (GNP(国民総生産)じゃなくて 前国王が提唱した)GNH( 国民総幸福)って どうよ」って聞い たら
彼の返事が「 金があったらの話だ」っていう(笑) ちょうどやっぱりブータンも
だんだん経済発展してきて 自分たちの子どもをアメリカの大学にやったり
してるんですね そうすると学費がかかるんで 彼らの社会は ご存知のように 誰かが成功すると 親戚
縁者がみんなやってきまして たかってくるから 「お金がないと
総幸福量もくそもない」っていう 本音を言っ てましたけど
1:55:10
そういう 社会全体が変わっていくと しょうがない事がありますねえ
1:55:17
要するに 99%が農業でやっていった 社会ですから
1:55:22
完全に自給自足に近かった 僕 最初に行った のはもう 30年ぐらい前で
その時は 当然 外国旅行なんで お金変えて持って行っ たんだけど
現金持ってても まったくしょうがない んですよ 使い道がない 店がない そもそも
現金を使う店は ホテルの中にしかない 町に出たら そんなもの いらないんです
よ それじゃあ 町の人はどうしているかというと 基本的に 物々交換でやってるんですね
そういう世界では やっぱり幸福の考え方が ずいぶん違うと 思いました
1:56:19
🌛一時的なもんだから そんなものを 追求してもしょうがないっていう のが 乱暴だけど私の一見ですね
それより 日常性の維持って方が よっぽど 大事だと 毎日毎日 帰るところがあっ
て 同じような生活ができるっていうのは 退屈だとか くだらないとか 思うかもしれませ んけど
日本語でいう「ありがたくない 」 だけどそういうものって ほんと大事だって
1:56:42
いうのは 災害が起こってみたら よくわかるわけです
1:56:48
原発が破裂して 町ごと帰れなくなっちゃったなんていう ことがあると
1:56:54
もとの生活で戻れないわけですから
1:57:00
日常性の大切さって どこで 教わるんでしょうね? 僕はもうこの歳になってますから いくらなんでも 肌でわかってるんですけど
今日 これから家帰ったら 家がなかったって
やっぱり随分 困るんだけどそういうことはないわけで
世界中で それを ひしひしと感じているっていう
人がどのくらいいるのかなと
1:59:07
😸猫を見ていると よくそう思いますね 「好奇心は猫を殺す(Cat has nine lives.)」という英語の言い方があり
ますけど 本当に生き生きしてますね なんか知らない
ものを見つけたときとか 行こうとしてる ときとか 動物共通の性質なんじゃないですかね
1:59:27
ある程度高等な動物の 虫はちょっとあんまりそういうの 無いような気がするん
1:59:34
ですけど
1:59:42
哺乳類は
だいたい そうだと思います
2:01:24
🌛(最後の質問への 自分の回答は)おそらく(趣旨とは)非常に違う 言葉が
2:01:30
出ると思うんですけど 僕は 少なくとも
2:01:38
自分で何かを決めている(自己決定) とか そういう 決めることがハッピーだとか 思ったことはあまりないんですよ
2:01:46
だから「人生どうですか?」って言われると「なりゆき」って言うんですけど
ひとりでに そうなったっていうのが 一番 私の 場合は
ハッピーですね 無理がない
要するに がんばらないで いいのは ひとりでに そうなる状況ですね
だから 将来予測するんだったら ひとりでに どうなるかっていうことを 考えた方が いいんじゃないかと
2:02:17
何かやりましょうって言って がんばるって
2:02:24
言うのはどう思う 性に合わないという そんなことをやってもうまくいかないだろ うって気がするんです(笑)
2:02:31
さっきの ジャガイモの話と 同じで ほっといたら出来ちゃったっていう
これが一番 ハッピーです
2:02:42
🌛アンケートってのは 僕はおよそ信用しないんです それは
2:02:55
食事の研究をされてた方が 40代の日本の主婦の方に
2:03:01
アンケートを取るんですね 朝食 朝ごはん で「どういうつもりで朝ご飯作っておられ
ますか?」から始めて丁寧に聞き書きをするん です そうすると
「伝統的な日本の和食を大切にしてます」とか 色々答えるんですよ そして
「 1週間毎朝 朝食のテーブルだけ 写真をとって ください」と
そうすると1週間分のデータが上がってくる ので そのデータを見てですね
2:03:46
「実は そういうふうに 和食を大切とおっしゃって ましたけど ずーっとスパゲティとか
トーストとか ばっかじゃないですか」 みたいなことで
調査をやられた結論の一つが
「日本の主婦の50%は 言っていることと 実際にやっていることが 180°違う」って言うんです
で 主婦が そうだってことは おそらく旦那も そうだろうと 私は思ったんです
2:04:16
で 日本人っていうのは だいたい半分の人が 本音と 人に言うことと 自分がやることは180度
違う人たちだ っていうふうに思っていた方がいい だから そういうところで世論調査しても あんまり
意味ねーな って思って(笑)
鄭 雄一
2:04:35
🌛ありがとうございます これが 最後の締めをいただきまし
2:04:41
た いや これは 予定調和をするものでは ございませんで やはり
2:04:47
養老先生には 今までにない視点ですね 考えたこともない
2:04:52
ような 視点とかで 考え方をいただくことができ ました
2:04:58
あの医療は人に人を幸せにできるかって いう なんか いかにも一本道のような
2:05:04
話かなと思ったんですけど そういうもので はないということもよく分かりましたし
2:05:10
多面的なとらえ方をしなければいけ ないということも非常によくわかりました
2:05:15
先生 長時間にわたり 本当にありがとう ございました
養老 孟司
2:05:22
スーッと 中村哲さんのことを 思い出しますねぇ
本当に 何て言っていいか分からないんですけど ああいう方が
やっぱり 医者 ですねぇ
※今日の文字起こしのソースはこちらです
開催日:2022年8月18日(木)、主催:国立大学法人東京大学、共催:SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)
グレーター東大塾「健康と医療」開講記念講演会「医療とWell-Being 医療は人を幸せにできるか?」
趣旨説明 津田 敦・東京大学 執行役・副学長
第1部:講演
・革新的医療の最前線… 鄭 雄一・東京大学大学院工学系研究科/医学系研究科教授
・幸せとは何か?… 養老 孟司・東京大学名誉教授
第2部:対談
登壇者:養老 孟司×鄭 雄一
※趣旨:
医療が提供する社会的価値と人が感じる幸福感との狭間にどのような関係性があるのかについて、参加者からの質問も交えながら、対談形式で探求します。本イベントを通して、より良いデジタル社会の実現に向けて、我々は何を考え、行動していけば良いかについて多方面の方々に関心を持って頂ければ幸いです。
※一般公開動画はありません
※グレーター東大塾へのリンクはこちらです:https://utokyony.xsrv.jp/greater/
✨🌒🌓🌔🌕🌖🌗🌘✨