ダブルっち博物館

小6~高3まで両親の近距離別居型生活に巻き込まれたダブルっち君(1998年4月29日生まれ)も、晴れておかげさまで、フリーダム生活を満喫中です!f^_^;)笑

袴田事件の弁護団事務局長の生トーク(を手動で書き起こし)



おつかれさまです。


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それでは、本日は、予告しておりました「静岡ツバキ会」の椿王子、小川秀世弁護士





(袴田事件弁護団事務局長/静岡県弁護士会)の講演会資料のスライド写真と、要旨の全文UPをいたします(^_^)























































全文です(^_^)



「誤判の原因の一つは、裁判官の職業病なんですね。裁判官という職業の中で作られた偏見。わかるはずがないことを大胆に言うということが起こり得る。横川敏雄『総てを我が心の糧に』の言葉には自分に対する過信がある。この人は神になっているんですね。袴田事件の控訴審の裁判長です



①袴田事件では、事件発生1年2ヶ月後に味噌タンクの底から出てきた麻袋入りの血染めの5点の衣類は「事件直後から1号タンクに新たに味噌が仕込まれる7月20日までの20日間のうちに隠された」とし死刑の確定判決が下ったが、その間、味噌は底に1.5㎝程しか残っていなかったと分かった。そんな所に隠すか?



②犯人の着衣とされた5点の衣類に緑色のパンツがありそれは袴田さんの物と言われた時にお母さんは喜んだんです。なぜなら袴田さんは緑色のパンツは1枚しか持っておらずそれは袴田さんのお兄さんが差し入れようとしてできずに持ち帰り家に保管していたからです。しかし裁判所はお母さんが偽証したと!



③自白では袴田さんはパジャマで殺害も放火を行ったとなっているんですね。しかし、公判途中に発見された5点の衣類が一番重要な証拠とされてそれで有罪、犯人だとされた。全くおかしな事件です。自白が中心証拠と矛盾していたら普通、そんな自白をさせられたのは袴田さんが無実だからとなりませんか?





「5点の衣類には…被害者の血液型と一致するA型,AB型,B型の複数の人血が付着していた」から犯行着衣と認めるのが相当(H30.6.11東京高裁決定)って、被害者の家族は父A,母B,長女AB,次女Oと全員違うんです。だからどんな血液型が出てきても全部一致するんです。むしろO型が出てこないことを問題とすべき!




「隠匿場所は犯行現場に近い」から犯行着衣と認めるのが相当(H30.6.11東京高裁決定)って、捏造であれば当然、遠い所に隠さないじゃないですか!論理が間違っている。ステテコの方がズボンより血液付着量が多い事についても第一次再審の東京高裁決定と同様「犯行途中でズボンを脱いだ」と非常識な論理!




警察による捏造などありえないという偏見をもつと、東京高裁の、犯行途中でズボンを脱いだ等のようにその問題に対する自らの判断が論理的に成立していなくてもそれに気づかなくなってしまう。実際に死刑になるような重大事件で警察の証拠捏造は繰り返し行われてきた(幸浦、二俣、小島事件、島田事件)




戦後の静岡県警による4冤罪事件の一つ、幸浦事件では警察が事前に海岸に埋められていた死体を発見していたが、被告人に海岸に埋めたと自白させ砂浜へ連れて行き棒を立てた所から死体が出てきた。また、同被告人は警察に焼け火箸を耳の後ろに当てられ火傷していたがいずれも裁判所は違法認定しなかった



袴田事件の無罪獲得の道は「警察は自白と矛盾する証拠を捏造するのも自然な流れである」と裁判所に再認識させることである。弁護団の中にも当初「捏造の主張は品位を下げる」という意見が、上田誠吉先生をはじめ多数あった。事実や証拠によって捏造が確認できるのであれば堂々と主張することである。




裁判で大事なのは「品位」ではなく、事実と証拠である。偏見を打ち破るのは事実と証拠、それ以外にない。事実と証拠の土俵の上で闘えば、真実は必ず勝つと。
袴田事件はほんとはわかりやすい事件なんですよ。




5点の衣類の色については、弁護団の味噌漬け実験から、たまりと味噌の合わせたものをより濃い色のものにすれば濃く、より薄いものにすれば薄くなり、どんな色でも20分もあれば簡単に再現できると解った。「長期間味噌漬けになっていたことは明らか(第一次再審の東京高裁決定)」とは言えなくなっている




更には5点の衣類に付着していた血痕の色についてカラー写真、実況見分調書、鑑定書にて赤味が残っていると記録されたが、1年も味噌漬けにすればメイラード反応により黒くなる事が検察側実験により確認された。高裁は昭和41年のカラー写真は色が悪いから意味がないというが黒いものが赤く写る訳はないのです




弁護人は5点の衣類は捏造(発見された直前に味噌タンクに隠された)と第一次再審の即時抗告審以降繰り返し主張した→第一次再審の東京高裁と最高裁は確定判決等の認定の誤りに気づいたからであろう、確定判決等にない、証拠に基づかない事実(衣類が長期間味噌漬けになっていたのは明らか)を補充した→→




→→ところが第二次再審請求の申立時の新証拠(弁護人らの味噌漬け実験)によって確定判決の認定が誤りだった事が明らかになった→にもかかわらず今回の東京高裁決定は何の疑問もないかのように扱った
東京高裁の裁判官たちに論理的思考ができないのは証拠捏造などありえないとの偏見がある為と思われる




戦後、静岡県下で発生した事件では拷問王と呼ばれた紅林警部が関与しない島田事件でも静岡県警により拷問というべき自白の強要と秘密の暴露の偽装工作が行われ捜査の一手段化していた事がよく知られている。裁判所がこうした違法捜査の指摘に消極的であった為袴田事件でも同様の方法が使われたのである




袴田事件の静岡県警による秘密の暴露の偽装はいずれも失敗した為警察は自白の内容を一部否定する5点の衣類の捏造に至った。しかし東京高裁決定は警察はせっかくトイレにも行かせないで苦労して自白を取ったのに捏造しますかという偏見がある為にそんなことは有り得ないとした。ほんとにあるんですが…




まず警察は袴田さんが奪ったとされる8万円余のうち5万円がどうしても出てこない事を利用して秘密の暴露(刑事事件で真犯人しか知るはずのない事項を被疑者が自白すること)の偽装をしようとした。警察が「知人女性のA子に預けた」とヒントをくれて袴田さんが虚偽の自白をし、自白の後で現金が出てきた




自白の数日後、清水郵便局で差出人名のない清水警察署宛ての封筒が同局職員に発見されて出てきた紙幣は5万700円と700円多く記号番号の所が全て綺麗に焼かれ「イワオ」と名前まで書いてあった不自然さに加え、警察はA子を逮捕、勾留したが自白させる事が出来なかった。つまり秘密の暴露の偽装に失敗した




この失敗に続いたのが裏木戸の偽装工作だった。裏木戸は上の留金がかかったままでは出られないが、警察は違法な取り調べで袴田さんから虚偽の自白(上の留金を外さないまま無理やり開けて出た)を取得し自白を裏付けする実験で実証できたとする調査報告書を作成したが写真に留金部分は写っていなかった




人が通過している時の上の留金の状態を写した写真が添付されなかったという事は警察が秘密の暴露の偽装に失敗した事を意味する。さらに警察は袴田さんがグラグラする中庭の水道管から侵入したとの虚偽の自白を取得し裏付け実験で実証できたとしたが、水道管の下部を手で握って支えている人が写っていた




このことは水道管から侵入の偽装工作も失敗した事を意味する。そうであれば秘密の暴露の偽装工作に続けて失敗した警察がそれを断念し最終的にやむなく自白を一部否定するような証拠、すなわち5点の衣類の捏造に至った事は極めて自然な事であったと考えられる。それを東京高裁は考え難いとしたのである




特別抗告申立書では新たに、白半袖シャツに血痕をそぎ取ったような跡が表も裏もあり犯人が犯行後味噌タンクに隠す前にそぎ落としたとは考え難く人為的なもので捏造の痕跡であると主張した。警察は説明しないとマズイと考えたのか生地を一部切除して行った血痕鑑定に「血痕採取箇所」と虚偽記載していた





警察による証拠捏造はその解明が極めて困難ではある。しかし当然だが決して不可能ではない。①裁判所に警察の「前歴」を再認識させる事②弁護団が「証拠の捏造」を堂々と主張する事③より詳細な捜査の情報や資料を入手する事④裁判長の自信過剰バイアスと事実と証拠の土俵の上で闘う事。真実は必ず勝つ




袴田さんは48年間毎日死刑執行を意識して生きることにいろんな意味で耐えきれず生き延びていく為に自分の世界を創り出し自分が最高権力者になって事件を終わらせるという発想になり今も行ったり来たりを彷徨っておられる。無罪判決なしには本当の袴田さんを取り戻す事はできない。弁護団も頑張らないと




      



次回、6月は、2019年6月1日施行の『取調可視化法(改正刑事訴訟法301条の2)』って何?
という、2つの生記事のトークを全手動UPする予定です(←なんか日本語がおかしい)!


次月もお会いできますかね✧(^_^)




本日もご覧いただきどうもありがとうございました(=^^=)






※追記です(^_^)/




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