ダブルっち博物館

小6~高3まで両親の近距離別居型生活に巻き込まれたダブルっち君(1998年4月29日生まれ)も、晴れておかげさまで、フリーダム生活を満喫中です!f^_^;)笑

メッセージの居場所(2006~2020 石川一雄さん5.23メッセージ)





「再審の扉を開けぬまま、不当逮捕56年を迎えてしまったことは至極残念で悔しい思いでありますが、第3次再審においては、私の無実を示す証拠は沢山提出されているので、必ずや再審開始を勝ち取るべく、今年も県下各地より決起集会にご参集頂けたものと思われ、例年の事ながら、支援者各位に心より感謝の意を表しておきたいと思います。」




これは、明日の5.23支援者集会メッセージの冒頭文です
今年もまた、メッセージが接ぎ足されることになりました
私のパソコンにもまた一つ、5.23メッセージが溜まりました




石川一雄さんがメッセージを書かなくてよくなることが、一番よいことなのです


ですが、
1年1日、56年1日のように、持久力も高く、メッセージを接いでこられた石川一雄さんを、

私は、持久戦に強い人として、リスペクトし、応援し続けます!





お気づきのように


今年の冒頭文だけでなく、

過去のメッセージ(※文末にご用意いたしました)の冒頭文のどれもが
書き出しらしい、改まった雰囲気があまり感じられません



そういう文章の特色から


再審開始で無罪が確定されない限り、
ひとときも心が休まることがないことは、
どれほど苦汁であるかという


そんな、わかりようもないことを、

幾度か想像しようとしました


そして、これは、誰にも想像の及ばぬことなのだと思いました



私には
再審の門を開かず、石川一雄さんに56年間、集会メッセージを書かせて、

人間の尊厳を踏みにじって恥じない日本の司法は遅れている

ということくらいしかわからない


ならば、そこから

もっと怒らねば!

もっと怒らねば!







(そんなことを感じたり考えたりしている私も、今は、かつての部落研のような、

自分全開だった居場所は、もう一生見つけられません😂)











  ……………………………………………………………………………………


2006(平成18)年 5.23 石川一雄さんメッセージ


不当逮捕43ヵ年糾弾、第3次再審実現の決起集会にご参集各位に心から感謝の
意を表す一筆をお届けいたします。
 先年の司法の府が下した不当極まる棄却に対し、良識ある民の怒りと共に、
狭山の風が怒涛の如く巻き起こっている中で、第3次再審請求が申し立てられ、
いよいよ生死を賭した闘いの火蓋が切られました。


皆さんもご承知の様に「狭山事件」は政治的要素が強いだけに、今後の闘い
に於いても「狭山」が国家方針の中で、どの様に位置付けられているか、常
に身構えつつ、大胆、且つ緻密に司法の良心に訴え、裁判官の自己決定を促
す方向性を模索して参る所存です。確かに皆さんのお骨折りに依って社会に
出して頂いて10余年間に、多くの人との出会いや、美しい物を見て感動した
り、様々な知識を得ることもできました。夢や希望を持ち続けられて現在に
至っているのも事実ながら、43年間、闘い継いで来た狭山闘争を振り返った
時、果たして「正鵠(【せいこく】物事の急所・要点)を射るものを蓄積し
てきただろうか!」と自問自答すると甚だ疑問符する面を否定できません。
故に今度こそ此の3次再審に勝利する為には今迄以上に性根を据えて、更に
世論の喚起が不可欠と自分に言い聞かせつつ、原点に立って懸命に訴え活動
を展開しているのであります。


何れにせよ、支援者皆さん共々の願いである「今迄の判決・判断などに予断
を抱く事なく、十分に司法的抑制の理念に立って、弁護団提出事実を虚心に、
そして真摯に精査され、大極的見地に立って検討されるように」を無視し、
「精査・探求」どころか、特別抗告審もまた、机上論の荒唐無稽な暴論を持
って大鉈を打ち振るった此の現実と、正義が断罪される今の司法の姿を思う
と再審裁判の実現に容易ならぬ危機感が横たわっている訳ですが、でも私は
幾多の困難を乗り越えてきたので、これからも何処までも真実を追究し、完
全無罪が勝ち取れるまで不屈に闘い抜きます。


こうした狭山差別裁判を闘う中で、先般検察当局が「・・・裁判員制度に参
加する裁判員に自白の任意性を解ってもらう為に、録画・録音をする」との
発表でした。元より日弁連でもこれまで取り調べの「録画・録音」を強力に
提唱しておりますし、またこの様な取り調べの可視化は今や世界的な潮流と
なっていますが、「録画」などは検察官の裁量に委ねられるとあってみれば、
一歩前進とはいうものの、憲法が形骸化されていっている状況の中に「狭山
事件」があるだけに、「警察・検察」の全過程で可視化の義務化と証拠開示
実現、代用監獄の廃止なくして、えん罪は根絶しないことから、こうした訴
えも、私は狭山裁判闘争を通して全国民にご理解を求めて参るつもりです。


頭書にも申し述べましたように第3次再審申し立てに依って、皆さんにも一
層のご協力を賜らねばなりませんが、特に、新100万人署名もお願いする
ものと思いますので、何卒一人でも多くの獲得に力をお貸し下さいますよう
切願いたす次第であります。


それでは日頃の尽力に対し、衷心より感謝し、同時に第3次にも更なるご支
援をお願い申し上げて私のご挨拶といたします。今日は本当に有難うござい
ました。


     2006年5月23日


                            石川 一雄


不当逮捕43ヵ年糾弾、第3次再審実現総決起集会参加ご一同様



  …………………………………………………………………………………… 



2007(平成19)年5.23 石川一雄さんメッセージ


 第三次再審闘争の決戦の火蓋を切って丁度一年、そして44年前の不当逮捕
に対し、怒りや無念、悲しみを共有しつつ、三次こそ「狭山闘争の歴史的勝利
への道を切り拓くんだ」と何かとご尽力下さっておられる全ての皆さんに衷心
より感謝の一文をお届けいたします。私たちは如何なる時でも緊張感を持って
訴え活動に全精力を傾けており、取り分け、今年は場合に因っては、裁判所の
判断が出されるかもしれないということで、全国の支援者の皆さんも夫々に創
意工夫され、波状的連続的に要請行動をして下さっている由に、これ程心強い
ことはございません。「事実調べ」をさせる為に絶対的に不可欠な物は、新証
拠の発掘、新事実の発見であることは言及するまでもなく、従って皆さんにも、
重要課題として一点でも多く新証拠の発掘に努めて頂きたいのであります。


 最高裁の棄却攻撃から見ても、初めから私の有罪との予断に立って証拠の不
備は想像と憶測で辻褄を合わすといった不条理な論法を駆使していることから
して、今回の第三次こそ司法の暴論を許さない、確固たる証拠を突き付けてい
かねばならず、そのため、今弁護団は鋭意、模索中であります。


 元より私自身は、今までに提出済みの証拠だけでも充分と思われますし、又、
良識ある裁判官であれば、当然「事実調べ」を行うべき筈乍らも、司法の顔は
常に権力側に向いており、其れだけに三次で無罪を勝ち取る為には、具体的な
大衆行動を重層的に展開し、司法権力の横暴を決して許さない闘いを推し進め
て貰いたいのであります。


 このような厳しい闘いの中にあって、私が心強く思う事は、全国に散在する
部落の兄弟姉妹をはじめ、労働者、各宗派、市民・住民の会など、司法の姿勢
を変えるべく、強固な体制を組み、様々に取り組んで頂いていることです。
 私は、司法の府として期待していた最高裁の決定文が、事実の真相究明に全
力を投入して冤罪者を救うことよりも、司法権力の権威と法的安定の維持のみ
を前提とした内容からして、三次においても、証拠の新規性、明白性を認めさ
せるには、容易ならぬ危機感を覚えました。


 しかし、此の度、皆さん方の絶大なるご協力の下に新100万人署名が達成
間近であること、更には、最高裁の刑事訴訟法(憲法)の精神に反する不当極
まる再審請求の棄却に対する世論の批判の声が強まる一方、夫々のお立場にあ
って、皆さん方が真実解明と正義貫徹のため、最後の勝利までご協力賜れるな
らば「狭山闘争の歴史的勝利」への道は拓かれるとの確信を持った次第です。


 思えば政治的意図に因って狭山事件の犯人に仕立て上げられる運命にあった
とは露知らず、別件で逮捕され、今日で44年を迎えてしまいましたが、未だ
冤罪が晴れず、真の自由の身になっていないからといって私は泣き言をいうつ
もりはありません。何故なら犯人にされる過程で如何なる事情があったにせよ
「自白」したのは紛れもない事実であり、其の責任の一端は自分にあるからで
す。然し乍ら、獄中で文字を取り戻し、自分の身は自分で守る術を知って以来、
32年間の長い拘禁生活の中で、自分を見失うことなく、常に自分を戒め、不
退転に闘ってこられたのは、私の「無実」を信じて支援し続けてくださった多
くの支援者のおかげであります。


 今度こそ此の第三次再審の実現を通して無罪を勝ち取り、支援者共々に喜び
を分かち合える様に最大限の努力を続けて参る心算です。
弁護団も高検に対し、引き続き証拠開示の交渉を継続する由から、前述のよう
に、狭山闘争も新たな局面に入っているので、私の無念を共有して下さる皆さ
ん方も其の点を踏まえて、全証拠開示の要請の方にも力を注いで頂きたく切に
希う次第であります。


 最後になりましたが、司法権力の不当極まる棄却に対する闘いの旗幟をより
鮮明にしつつ、今日の不当逮捕44ヵ年糾弾決起集会にご参加下さった全ての
皆さんに心深くお礼の意を申し上げると共に、いよいよ今年が正念場であり、
一層のお力添えを賜れますよう再度お願いし、石川一雄の挨拶に代えて失礼い
たします。
 本当にありがとうございました。


2007年5月23日
                          石 川 一 雄
不当逮捕44ヵ年糾弾
狭山再審要求集会参加者ご一同様




  …………………………………………………………………………………… 


2008(平成20)年 「5・23メッセージ」


狭山事件不当逮捕45ヶ年糾弾・第三次再審実現総決起集会にご参加下さった
全ての皆さんに衷心より深く感謝の一文をお届け致します。


 浦和地裁の内田武文をはじめ、現在までの各裁判官たちは、恣意的な解釈
の基で、私、石川一雄の虚像を作り上げ、全てに於いて自らの意思で権力犯
罪に手を染めてきた事は紛れもない事実であってみれば、何がなんでも第三
次で、事実調べを通して、其の経過を天下に知らしめ、断固糾弾せねばなり
ません。


 今日の集会に、この様に沢山の人たちにご参加頂いたことに対し、心から
お礼を申し上げます。現在、私が不撓不屈の精神で、常に最前線に立って闘
って居られるのは、部落の兄弟、姉妹をはじめ、労働者、宗教者、住民の会、
学生たちの支えがあったことに他ならない事乍らも、国家司法権力に因る連
綿たる部落差別攻撃であることを数々の証拠上からも動かぬものと確信の上
に立って国民大衆もが怒りを持ち、今の全国的規模に発展したものであり、
誠に心強い限りであります。


 私も此の45年の間は苦難の連続でありましたが、敵の正体を知って以来、
後へ退くことなく、むしろ狭山闘争の歴史的勝利を得る為には、いえ、二度
と再び石川一雄を出させない為にも事実調べを通して裁判官に謝罪させずに、
今迄の血叫びも、そして辛苦の拘禁生活も水泡に帰すことになるので、今度
こそ、正真正銘の権力打倒に燃え、完全勝利を手中に収めるべく全力で闘い
抜く所存であります。


 思えば永いながい闘いになってしまいました。刑務所の中で、多少とも裁
判の仕組みを知って以降、それでもこれ程長期間に及ぶとは思いもよりませ
んでした。


 裁判官は、実務の経験者であり、法を司る者として、真相究明の為にも任
務を全うして下さるものと信じて疑いませんでしたが、裁判官も人の子であ
り、正義や、一人の無実の人間より、国家権力を守るほうが大事なんだと怒
りを持って知った次第です。然も裁判官は、私の無実を百も承知している筈
だけに、これ程恐ろしいものはございません。


 皆さんもご承知の様に、今では医学も科学も格段に進歩し、其の科学的鑑
定技術に依って、私の無実性の鑑定が出されているにも関わらず、其の科学
をも否定されてしまったのであります。加えて裁判所は、未開示証拠が膨大
に存在することを検察自身が認めているにも関わらず、開示させないのは、
異常なことであり、恐らく差別決定護持の為に真相を明らかにすることを妨
害せんが為に勧告もしないものと思われますが、「無辜の救済」「再審の理
念」とはなんでありましょうか。私は今でも「真実と正義は必ず勝つ」と信
じておりますが、支援者皆さんにも知っておいて貰いたいのは今迄の裁判所
の対応です。新証言が出ても、其の供述内容を歪曲したり、出鱈目な推論と
差別的心情を剥き出しにして、証言など悉く切り捨ててきた司法です。


 先般の最高裁の門前払い的な棄却決定は、単に最高裁のみの判断に因って
下された訳ではなく、其処には私の再三の証拠開示請求を理不尽極まりない
難癖をつけて踏み躙り続けている検察当局の証拠不開示方針に連動している
点も厳しく捉えておく必要があろうかと思われます。此の事実調べなき棄却
決定に導き出した検察の証拠不開示方針にも起因しているということであり
ます。現に再審を決定する為には「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」とし
て刑事訴訟法435条6号にうたわれています。狭山事件には、分量としては
積み上げれば2〜3メートルに上る「殆どが未開示証拠で有る」という証拠が
検察に因って保有されていることを認めています。然し検察は頑なに証拠開
示を拒んでいることも裁判官自身が知っているのです。是を開示すれば捜査
の差別性等が明らかになることから検察は裁判所に開示勧告を出さないよう
画策している筈です。


 これを如何に打破するかは今後の私の生死にも大きく左右する訳です。従
って命のかかった裁判において、国家権力が証拠を隠蔽し続けることは、国
家に因る人権侵害であり、重大な権力犯罪なのですから、是が非でも皆さん
のお力で証拠開示にも力を注いで頂きたいのであります。


 今までにも主たる再審裁判に於いて証拠開示が行われ、其の証拠に因って、
事実調べ、再審開始が開かれています。にも拘わらず狭山事件だけは、膨大
な証拠や、証拠リストの存在を明らかにしながらも、検察は証拠開示を拒否
し続けており、極めて異常であり、断じて許せません。


 何れにせよ、第三次再審闘争もいよいよ最終段階に入り、私も全力で法廷
闘争に持ち込めるよう活動を続けて参る決意で居ります。どうか皆さんも三
次で勝利できるよう可能な限りご協力賜りたく、再度本紙上でお願い申し上
げて私のご挨拶といたします。


 今日は、ご多忙の中本当にありがとうございました。


               2008年5月23日


                          石川 一雄


不当逮捕45ヶ年糾弾集会に決起下さった各位





  …………………………………………………………………………………… 



2009(平成21)年5・23メッセージ


不当逮捕46ヵ年糾弾・再審実現勝利闘争に決起くださった全ての支援者に
心からお礼の意を深く込めてご挨拶申し上げます。


社会に出て15年目を迎え、拘禁生活の32年間は兎も角、現在に至っても、
えん罪を晴らせる目処もたてられず、然も科学の進歩に因って私の無実性
は明らかになっているにも拘らず、司法が「再審開始」の姿勢を見せない
ことに、満腔の怒りを禁じえません。


狭山事件は「部落差別」が根底にあることで、司法では「事実調べ」を行
うことに相当な勇気が必要かと思いますが、実務の経験者、或は法を司る
裁判官として如何なる事情があるにせよ、公平・公正な裁きをするのが、
裁判官に果された仕事である筈です。


元より日本の司法制度は自由心証主義からして、決定権はすべて裁判官に
委ねられ、いわば生殺与奪(せいさつよだつ)権は裁判官が握っているので、
裁判官の胸三寸で決まって終(しま)うので、これ程恐ろしいものはござい
ません。例えば前述のように「証人調べ」等を行えば、私の無実が明らか
になるだけでなく、被差別部落民の私を「犯人」に仕立て上げた警察・検
察の手口は明らかにされるし、特に、自白のデッチ上げが一つひとつ鮮明
になり、「自白」を唯一根拠とした寺尾「確定」判決が崩壊することを意
味していますし、それは警察・検察・裁判所が一体となった部落差別犯罪
の全てが暴露されることを恐れた結果、今迄の裁判の「確定」判決を追認
踏襲した内在をひた隠しする必要性が生じてくるからです。


新証拠や、確定判決が指摘した一つひとつを精査、探求した上で科学の力
を借りてはじめて私の無実性に光が当たった訳で、決して無理な要求でな
いと断言できます。


今般の第三次再審請求審に於いては、皆さんも知っての通り、弁護団は数
十点にのぼる私の無実を証明する証言、証拠、鑑定書など提出しました。
従って門野裁判長は最早、「事実調べ、証人尋問」などを避けて通ること
はできないものと確信して居ります。私は人生の三分の二近くも殺人犯と
いう汚名を着せられ、自由を剥奪され、生活を滅茶苦茶(めちゃくちゃ)に
されたことに対し、其の責任の一端は自分にもあるので、怨みませんが、
裁判官には弁護団から提出されたものは正面から直視され、真剣に受け止
め、個別的でなく、総合的な判断で評価していただきたいと願っています。
言及するまでもなく、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄
則は再審に於いても適用されるとした白鳥決定が出され、免田、財田川、
松山事件などで、開示された証拠が決定的な無実の根拠になって、再審開
始で無罪になった例を顧みれば、公的機関である筈の検察官は積極的に証
拠開示の義務を負わされている筈なのに、未開示証拠を出そうとしない以
上、裁判官の開示勧告のもとで、フェアーに、裁判という土俵の上で白・
黒をつけ、それが延(ひ)いては公正・公平な裁判に繋がるので、裁判官が
真実を追究し、公正な裁判を行なうというなら、証拠を隠す検察官を弾劾
し、その上で、全証拠の開示命令をすべきであります。


私は裁判所がえん罪作りに加担しているとは思っていませんが、証拠を検
察官が私物化していることに問題があり、それを是正させるのも裁判官の
仕事であると解します。


何(いず)れにせよ、「真実と正義は必ず勝つ」の確信と信念は不変ながら、
今現在、狭山再審闘争は最大の山場を迎え、勝敗の分岐点でもあるという
ことを自身に言い聞かせると共に、なんとしても門野裁判長の下で再審開
始決定を実現させねばなりません。門野裁判長は来年2月に退官されるそ
うですが、私は、門野裁判長に「再審開始決定」を出して貰うために精力
的に活動を続けて参る所存です。


支援者皆様方も再審実現のため全力で活動を展開して下さるよう心からお
願い申し上げて、右、私の決意と常日頃のご尽力を、併せて今日の集会に
お越し頂いたことに衷心より感謝してご挨拶とさせていただきます。


  2009年5月23日
                           石川 一雄



 …………………………………………………………………………………… 


 2011(平成23)年 5.23メッセージ


巨大地震、大津波、原発事故と未曾有の大震災に胸が痛み、まずは
何をおいても震災に遭遇し、亡くなられた方、今もまだ行方不明の
方、住居・職場を無くされたり、原発事故により移転を余儀なくさ
れた方々に、心深くご冥福とお見舞い申し上げるものであります。


被災地の皆様方の悲哀や、苦悩、怒りなどを推し量れば、今、この
時期に狭山再審闘争における尽力要請を乞うこと自体に躊躇しつつ
も、5月23日は、私が不当にも別件逮捕されて48年になり、加
えて重大な7回目の三者協議が2ヵ月後に迫っていることもあり、
なんとしてもせめて、東京高裁が証拠開示勧告した残りの3項目だ
けでも開示させ、再審実現のために支援者皆さん方にご理解を求め
るべくペンを執った次第です。


さて、前述のように、甚大な被害、非常事態の中にあって、尚且つ
支援者皆さんに狭山事件の犯人にされ、やがて半世紀になろうとす
る私自身のえん罪を晴らすためには、特に今現在の闘いによって再
審の有無が決定されるであろうことなど鑑みれば、皆さん方の大震
災に対する復興支援活動と共に、私の狭山支援活動にも心をお寄せ
頂きたいのであります。


多分、支援者皆さんも、第7回の「三者協議」ばかりでなく、今ま
での三者協議においても夫々の思いで緊迫感と、固唾を呑むように
張り詰め見守っていてくれていたものと思います。言及するまでも
なく、私の「狭山事件」というよりも、狭山差別裁判糾弾闘争は、
皆さん方の弛まぬ闘いと、努力によって、部落解放闘争、あらゆる
差別をなくし人権を確立する闘いの新たな前進の水路を切り拓いて
頂きましたし、そういう意味では、狭山事件は部落差別に貫かれた
冤罪であることを認めさせるために圧倒的な力と、司法権力を包囲
する大衆的な闘いとして飛躍的な発展を遂げてきたことも事実であ
ります。


然しながら、今迄、無実のものを「有罪」としてきた司法権力に対
する責任を徹底追及するためには今時の再審を開始させる必要があ
り、その上で48年に及び「犯罪者」のレッテルを貼ってきた司法
権力を満腔からの怒りを込めて弾劾しなければならないと思ってい
ます。そういう関係で、現時の裁判闘争を、どのように勝利への新
たな出発点にするかということこそが、理論的にも実践的にも問わ
れていると思いますし、また、急務の課題であると、自己の置かれ
ている立場を精査し、皆さんにも喚起して一層のお骨折りを賜りた
いのであります。


私は、何時、如何なる時でも「真実」と「正義」は必ず勝つ、との
信念と、私の無実は必ず「国民大衆に解ってもらえる日がくる」と
信じて48年闘って参りましたが、皆さんもご承知のように、昨年
の三者協議において私が不当逮捕された当日書かされた狭山警察署
長宛の上申書が、47年目にして証拠開示され、当時の私には、あ
のような脅迫状は書き得なかったことが証明されました。だからこ
そ検察当局は47年も隠し続けて出さなかったのです。


この上申書を脅迫状と比較すればその違いは一目瞭然なので、検察
側は隠し通したかったのでしょうが、弁護団の粘り強い闘い、努力
と、支援者皆さん方の証拠開示の必要性の署名、要請行動等、世論
の声などに抗しきれず出さざるを得なかったと思われます。従って
「証拠開示」の「意義」は兎も角、私が書いた重要な筆跡資料が47
年以上も隠されていたことこそが大問題であり、更に沢山の未開示
証拠を出させる運動の展開をしていただきたく、声を大に訴えます。


泣くも笑うも今年の闘いにかかっているといっても過言ではないと
思いますが、私のような悲劇を二度と繰り返させないためにも証拠
開示を法的に義務付けるための活動も展開して参る所存です。何卒
「今年が勝負」の年と位置づけて今まで以上のご協力をくださいま
すよう心からお願い申し上げます。


それでは犯人に仕立て上げられて48年に及んで現在に至っても無
実の罪が晴らせない現実を通して、第三次再審裁判にかける私の意
気込みと皆さんの更なるお力添えの程をお願いして失礼いたします。


  20011年5月


                       石川 一雄


全国の狭山支援者皆さんへ






  …………………………………………………………………………………… 


2012(平成24)年 5.23 石川一雄さんのメッセージ  



不当逮捕49年に至って全国の支援者の皆さんにメッセージをお送りいたし
ます。年頭の挨拶では今年中に「再審」実現の「勝利の年に」と記し、又
その積もりで全精力を傾注し闘って参りましたが、先の10回目の三者協議
に於いて、検察は19点の証拠は開示したものの、求めていた肝心な証拠は
開示せず、然も有るべき筈の「血痕反応検査」の報告書や、犯行現場とさ
れる8ミリフイルムなども「不見当」との回答をくりかえしています。私が
無実を訴えたのは、「死刑」判決後、半年位であり、本来なら、その様な
重要な証拠は保全してしかるべきなのに、私が東京高裁で「無実」を訴え
たことに因って、保管しておくことに危機感を覚え、その時点で「廃棄」
処分にして終ったのではないかと思わざるをえません。しかし、2009年の
門野裁判長の勧告は、「存在しないならその理由の説明をしなさい」と踏
み込んで迫ったはずであり、検察側はそれに対していまだ明確な回答をし
ていません。弁護団は、検察側が提出してきた意見書に反論する専門家の
意見書を提出するとのことであり、10月に予定されている11回目の三者協
議を待たなければなりませんが、それによって今後の展開は来春に持ち越
されることも考えられます。


これまで8項目の開示勧告の内5項目、50数点について証拠開示がされまし
たが、肝心の3項目については、何度迫っても「ない」の一点張りなので、
今後も「ない」理由の説明や、弁護団の求める他の証拠開示も求めていき
ます。


考えてみれば「殺害現場」が特定されないまま「有罪」が認定されている
ことになり、それらを究明するのが裁判所の職務の筈であります。また、
あれ程沢山の無実を示す証拠が提出されているにも関わらず、「事実調べ」
しないなど、「狭山事件」は、稀なだけでなく不公平な裁判経過といえるの
ではないでしょうか。「殺害現場」を裏付ける客観的証拠が「ない」とい
うこと自体が私の無実を明らかにしていることを証明していると思われま
す。法廷を開き、事件当日、「犯行現場」の至近距離にいた農作業者をは
じめ、「証人」尋問をすれば「白、黒」の決着をつけられるのにと裁判所
の姿勢に問題を投げかけずにはおれません。私、石川一雄の心は閉ざされ
たまま50年、半世紀を迎えるのが濃厚な現実に直面し、心に重く感じるの
は否定しませんが、これからも「無罪」の二文字を勝ち取るまでは不退転
に闘って参る所存です。支援者皆さんには、何時も私を支えて頂いており、
感謝しつつも、この第三次再審で決着をつけるためにも更なるご協力が不
可欠ですので、なにとぞ何時にも増して後押しをしてくださいますよう、
心からお願い申し上げて、不当逮捕49年に当たり、私の決意と皆さん方の
ご理解の上、一刻も早く潔白の「よき日」を迎えられますようお力添えを
再度お願いして失礼いたします。


 2012年5月23日
                           石川 一雄



  …………………………………………………………………………………… 




2013(平成25)年 50年目の決意 5.23メッセージ


別件不当逮捕50年に当たり、全国各地で糾弾集会を設け、今日も多数の方々が
決起集会にご参加下さったものと思われ、常日頃からのご支援、ご尽力に一言
お礼の意を表せたらと、一筆執らせて頂きました。


半世紀を経ても再審実現が適わぬ事に無念、遣る瀬無い思いは禁じ得ません。


皆様もご承知の様に、今月8日、第13回目の三者協議が行われました。今回は
裁判官、検察官全員が交代した関係で、私自身も一抹の不安を覚えましたが、
河合裁判長は、証拠開示について、これまでの姿勢を踏襲するとしたうえで、
弁護団が求めている証拠開示についても、検察に「柔軟に対応するように」と
促したそうですが、門野裁判長が開示勧告した「ルミノール反応検査」の有無、
並びに1963年7月4日付の雑木林を撮影した「8ミルフイルム」の開示については
埒があきそうもありません。ただこれによって「殺害現場」を裏付ける証拠は
何もないことが明らかになりましたし、「犯行現場」を特定するための捜査書
類や、門野勧告でも重視された「死体に関する写真」はある筈なので、特にこ
の点を強調、請求する価値があると存じます。


また、弁護団はつぎつぎ開示された証拠を精査し、未開示の証拠物や犯行に使
われた手拭いの捜査資料など、さらに隠された証拠の開示を求めているところ
です。


元より証拠の力で裁判を動かすという弁護団の戦術を貫くためには、例え検察
当局が飽く迄も「ルミノール反応検査」や「8ミリフイルム」を不見当として、その
存在を否定し続けたとしても、それに怯むことなく追求すべきであろうし、何よりも
公平で公正な裁判を求めるために皆様方からご協力頂いた100万筆を超える署名が
「水泡に帰する」ことのないように活動を展開していく必要があることは、今更
申し述べるまでもありません。


思い返せば、今までの裁判は確定判決以降、38年間に及び一度たりとも事実調べ
をせず、書面審理のみで一方的に有罪判決をしてきたのです。言及するまでもな
く、刑事事件である以上、刑事裁判が事案の真相究明をする、いわゆる実体的真
実主義と、此れに対する刑罰法令の適用実現を目的としていることは、申し述べ
るまでもなく、そうであれば、本件自白は、逮捕状を請求するだけの物的証拠も
存在しなかったにも関わらず、軽微な別件で逮捕拘留し、その間の身柄拘束を利
用して本罪を取り調べたものであり、従って本件狭山事件に関する自白の強要は、
此の再逮捕、拘留に因る精神的・肉体的打撃の結果であり、この違法拘束に引き
続き、法の拘留に関する規定から逸脱しているとあってみれば、憲法第31条、33
条、34条、刑事訴訟法205条に違反する不当な逮捕・再逮捕を論説し、糾弾する必
要があろうかと存じます。皆様にもこのことを重視し世論喚起に努めて頂きたく
切に願っております。


何れにせよ、再審開始への道筋も見えてきたとはいえ、まだまだ皆様の更なるご支
援は不可欠であり、これからも多くのご支援を賜らねばなりませんが、7月に予定
の三者協議までには無理でも、何としても今年中には「事実調べ」の方向性が附け
られるように、私も精いっぱい活動を展開して参る所存ですので何卒皆様方も、今年
中に勝利の目処が立てられるよう一層のお力添えを賜りたく心からお願い申し上げ
て、不当逮捕50年に当たり、私の決意と皆々様のご支援に対し、感謝の気持ちに代
えて失礼いたします。
 


 2013年5月23日


不当逮捕50年糾弾、再審実現決起集会ご参加ご一同様


                              石川 一雄




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2017(平成29)年5月23日狭山事件石川一雄さん不当逮捕54カ年きゅうだんメッセージ



今から54年前の今日は不当な別件逮捕された日であり、それに合わせて県下各地から糾弾集会にご参集頂いた全ての皆さんに心から感謝の意を表せたらと、私石川一雄は重いペンを走らせていますが、仮出獄からもう23年が経過する現在に至っても冤罪を晴らせないまま支援者各位に多大なご心配、ご迷惑をおかけしていることを大変申し訳なく心苦しく思っております。


 元より、取調べ過程に於いてどの様な事情があったにせよ、「自白」したのは紛れもない事実であってみれば、苦境に立つのも自業自得なので、憤懣遣る方無い気持ちはさておき、冤罪を示す証拠の数多(あまた)から沢山の人たちによる「・・・再審を行って下さい・・・」の当然の声にも応えないこれまでの裁判官の姿勢に対し、絶望感さえ覚えます。弁護団から提出された全ての新証拠によって、警察、検察当局が仕組んだ証拠の捏造(ねつぞう)、事件のストーリーのデッチアゲ、証言の捏造などの事実を暴露し、客観的事実を明らかにしているにも拘わらず、なかなか再審裁判を行おうとしない司法に対し、先が読めないだけに苛立ちを抑えることはできません。


 言及するまでもなく、確定判決に合理的疑いが生じていれば、直ちに事実調べを行うべきであり、それが無辜(むこ)の救済(きゅうさい)、再審の理念だと思います。厳しい闘いの日々の中で、弁護団の粘り強い証拠開示の取り組みと全国の支援者から「証拠を隠すな」「証拠を開示せよ」の強い声に押され、検察官も渋々ながらもカバン、腕時計の捜査報告書、逮捕当日の上申書、初動捜査時の報告書、取調べ録音テープなどの開示に因って、増々私の無実が明らかにされてきたのです。


 取り分け下山鑑定、川窪鑑定は確定判決の認定を根底から揺るがし、しかもそれが科学的な鑑定だけに司法当局に大きな打撃を与え、逃げられないところまで追いつめていることは確かですが、油断は禁物です。何故なら以前の裁判で弁護団が脅迫状との筆跡の異なる点を指摘したところ、「・・・確かに筆跡は違うが、それは書く時の環境や、心理的状況によって違いが生じる・・・・」と筆跡が違うことを認めながら再審を拒否した例があるので、慎重に事に当たらねばならないことはいうまでもありません。とはいうものの、下山、川窪鑑定に対し、検察側は、2月8に開かれた31回目の三者協議で「反証、反論の方向で検討する。年度末までに目処(めど)を示す」といいながら昨年8月の下山鑑定提出から9カ月が過ぎた今も反論、反証は出されていません。意味のある反論は出せないのではないかと思われます。


 2006年5月23日、東京高裁に第3次再審請求を申し立ててすでに11年、裁判所には一日も早く証人尋問、再審開始決定の結論を出させるよう、厳しい姿勢で迫っていく所存です。


 大詰めを迎えています第3次再審闘争、今年が勝負の年と私自身も心に秘め、支援して頂く皆さんにも最後の持てる力を最大限に賜りたく心からお願い申し上げて、私のご挨拶といたします。


忍耐に極限あるも今将に最終段階躊躇許さず


2017年5月23日


             石川 一雄


不当逮捕54カ年糾弾集会参加ご一同様




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2018(平成30)年5.23メッセージ



確定判決の予断と偏見に満ちた不当な差別判決の前に、現在もなお殺人犯の汚名を背負わされ、仮出獄をした今も、非人道的処遇を強いられ、保護観察所や、保護司への報告を義務付けられてから24年になろうとしておりますが、この生活環境を直視すれば当然の事乍ら、私の憎悪の対象は寺尾判決の一言に尽きる訳ながらも、皆さん方もご承知の通り、此の間に開示された取調べ録音テープ等からも、如何に確定判決がゴリ押しであったか、明らかであり、正しくこの第三次再審闘争の中で、これまでの有罪の証拠に合理的疑いが生じていたかが、満天下に示されており、そうであれば、直ちに真相究明すべく、鑑定人尋問を行うべきと切に願っています。
 前述の様に、取調べ録音テープに因って明らかになったのは、自白調書すべてに渡って国家権力、警察が私を狭山事件の犯人にデッチ上げるために仕組んだ証拠の捏造、事件のストーリーであり、証言の偽造、証拠の改ざんの事実を暴露し、警察が私に嘘の自白を強要、強制していたことが決定的に明らかになったのです。
 これまでも支援者各位による検察に対して「証拠を隠さず開示しろ」の声に押され、少しずつながらも現在190点以上の証拠が開示され、それに対して弁護団から無実を明らかにする200点近い新証拠が出されています。一度も事実調べ、鑑定人尋問を行うことなく再審を棄却してきたこれまでの裁判所の決定を、満腔の怒りを持って糾弾してきましたが、今度こそ鑑定人尋問を行うものと信じています。
 今テレビ等で、警察権力、国家権力、官僚等の不祥事が毎日のようににぎわしていますが、一方では、私の狭山事件の検察の証拠隠しは元より、それを黙認している裁判所の不正義について、取り上げられることはほとんどなく、由々しき問題であると、声を大に訴えます。
 今日は55年前に不当逮捕された日であり、各地で沢山の参加のもとで糾弾集会が開かれていると思われ、例年の事乍ら、感謝の気持ちで一杯です。
 振り返れば、この55年は途轍もなく長い道のりでありましたし、またある時は闘いを放棄して終いたいと思ったこともありましたが、皆さん方をはじめ、全国の子どもたちから「石川さんがんばって下さい。私たちも応援しています」という手紙に励まされて、心折れずに闘い続けてこられました。
 55年の今日まで、未だ冤罪を晴らすことは出来得なかったけれども、この第3次再審で必ず再審の扉が開かれると確信し、自分自身の為、また、何よりも長年にわたって支援し続けて下さった多くの支援者の皆さんの声に応えなければと、日々、自分自身に鞭うって頑張っております。
 皆さんお一人おひとりが石川一雄になり、真相究明のために裁判が開かれるように署名活動や、様々に闘って下さっている事を思うと一層の闘争心が湧き、「これしきのことでへこたれないぞ」との覚悟でおります。
 昨年12月に就任した後藤真理子裁判長も、取調べ録音テープ等を驚愕を持って聴取され、また、福江、下山、川窪鑑定等の科学的な鑑定もしっかり確認されている筈であり、だからこそ、事実調べや鑑定人尋問の必要性、重要性を認識されていると信じております。
 今日の集会をバネに、現審の後に裁判はないと自分自身に言い聞かせ、不屈に闘って参りますので何卒私の固い決意をおくみ頂き、最大限のお力を下さいますよう心からお願い申し上げて私の挨拶に代えて失礼いたします。


2018年5月23日


                           石川 一雄





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2020(令和2)年5月メッセージ


   仮住まい隙間風が入らぬ様に自己を戒め一日暮れたり


今年の不当逮捕57年の糾弾集会も新型コロナ感染拡大の影響で中止せざる
を得なかったことは極めて残念でありますが、全国の支援者の皆様におか
れましてはお変わりございませんか?


私自身はコロナが終息すればすぐに活動できるように万全な対策を講じ、
いつでも支援、要請のお願いに回れるよう体調を整えております。


今年の2月ごろまではウォーキングで汗を流していましたが、新型コロナ
感染拡大の中で、2月下旬からは、定期検診以外は殆ど外出せず、専ら屋
内での運動を続けています。ウォーキングでは、毎日3万歩~4万歩いて
いましたが、今は兎に角、人との接触を避け一日3回ほど腕立て伏せで
体を鍛えております。


早くから予定していた集会、学習会、現地調査活動が中止、延期になっ
たことに対し、関係者の皆様に大変申し訳なく思っております。私自身
糖尿病の持病を抱えており、支援者の皆様方のご配慮と共に、このよう
な措置を取らざるを得なかったことをどうかご理解くださいますよう
心から願っています。


闘いの中で倒れることは本望でありますが、コロナで倒れるわけには
まいりません。


上記歌は、ご存じの様に仮出獄の身であり、遵守事項に則った生活を
強いられ、常に緊張感を持って生活をしている中で、家にいても安住
の地でなく、「仮住まい」と自分に言い聞かせ、同時に、今日も何事
もなく一日無事に過ごせたことにホッとする訳です。


日々そのように思い、生活し、それが仮出獄の呪縛のなかであってみ
れば致し方ないが、常に「殺人犯」というレッテルを貼られたままの
重い荷を背負って生きているということを、皆様に知って頂きたく、
歌に詠んだ次第であります。


また、2月の大阪の集会では下記のような歌を詠みました。


   コロナに揺れ武州狭山の吾魂千客万来何事も恐れず


どのような状況の中でも、私は精神的にも、肉体的にも万全で、
今後とも冤罪が晴れるまで不屈に闘って参る決意であります。


57年前の今頃は、よもや私が女子高校生殺しの犯人として狙われ
ているなどと思いもよらず、新聞記者が来て、スコップを持って
写真を撮らせてくれと言われれば応じていたぐらいでした。逮捕
のときも、母に「すぐ帰るから」と言って別れたのです。


別件逮捕にいたる捜査が見込み捜査であり、私を狙い撃ちにした
ものであることは、今次の再審で証拠開示されたスコップや手拭い
の捜査資料で明らかになっています。さらに、取調べ録音テープが
証拠開示され、虚偽自白にいたる取調べの実態も明らかになりま
した。これらをふまえて、弁護団は科学的な新証拠を提出し、再審
開始を求めています。裁判所が鑑定人尋問など事実調べをおこない、
新証拠をしっかり調べてもらえば、必ず私の無実はわかるはずです。


今次の第3次再審こそ無罪を勝ち取れますよう、皆様方の一層の
ご協力を切に願って私の近況報告に代えて失礼いたします。



2020年5月


狭山支援者各位様


                      石川 一雄



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