ほりえもんの「カネで買えないものなどあるわけない」について
昨日の朝日新聞土曜版「be」の「フロントランナー」で
ライブドア社長の堀江貴文氏(福岡県生まれ、32歳、東大中退)
がこんな放言をしていた。
☆「カネで買えないものなどあるわけない」
「世の中、お金で買えないものはないし、おカネの前ではすべて平等なんです。
いくら貧乏でも、才能があれば、それをおカネに換えられるし、頑張った分だけ報われる。
頭がいいとか、運動能力が高いとか、芸術的な才能があるとかって、
絶対的な基準で比較はできない。でも、稼ぐおカネで推し量ることはできるんです。
『おカネでは買えない価値がある』なんていうのは、自分が努力しないことに対する逃げ、
自分の才能が足りないことを認めたくない逃げですよ。僕は、自分に能力がないんだったら、
努力するか、あきらめるか、はっきりしろよって言いたいですね」
「おカネの前ではすべて平等」というのはある意味で痛快だ。
かつてフランスのブランド店に日本女性のツアー客が押し寄せ、
バッグなどをあさっていた頃、店員が猿にでも投げ与えるように
横柄に渡していたという話(本当かどうか)があった。
そんな屈辱をバネにして日本人はがむしゃらに頑張ってきた。
そしてブランド店の支店を東京に出させるまでになった。
彼らはいわばジャパンマネーの前にプライドを捨てて屈した格好となり、
日本人はひそかに「ザマーミロ」とほくそ笑んでいたことだろう。
そんな中から上のような台詞も飛び出してくるのだろう。
とはいえ、そうして得られた「平等」ではあったが、
いずれろくなものでなかったことは最近の世相をみれば明らかだ。
それにお金で買えないものは、もちろんある。
たとえば頸髄損傷の特効薬とか、売り物にならぬがかけがえのない短歌とか。
しかしまああえて挑発的な物言いをして宣伝効果を狙っているのだろう。
これにカッカするようでは氏の思うツボというもの。
大人は苦笑いして聞き流せるが、子どもの中には真に受ける者もあるだろうから、それが心配だ。
★きょうの短歌
またしても感謝の念を如才なく先に言われてもごついている 東風虎